ごきげんよう。With-Time、運営者の「桐生」です。
高級時計の世界に、突如としてアート界の巨匠KAWS(カウズ)が参戦したニュースに、私も大きな衝撃を受けました。
オーデマピゲとKAWSのコラボレーションは、単なる限定モデルという枠を超え、時計業界、アート界、そしてファッション界までも巻き込む巨大なムーブメントとなっていますよね。
特に「ロイヤル オーク コンセプト」をベースにした「トゥールビヨン コンパニオン」は、その発売前から二次市場で値段が高騰し、正規価格での購入がいかに困難であったかを示す、象徴的なモデルとなっています。
チタン製のコンパニオンフィギュアが文字盤に鎮座し、八角形のビスにまでKAWSの「X」モチーフが刻まれたこのモデルは、多くのコレクターが熱望するまさに究極のコラボレーションです。
デザイン、技術、そしてアートの融合が、いかにしてこの時計の驚異的なプレミア価格を生み出しているのか、その理由が気になっている方も多いのではないでしょうか。
私もこのモデルに関する偽物や、評判についても、かなり深く調べてみました。
この記事では、この歴史的なコラボモデルの概要から、デザインの細部に隠された意味、そしてなぜこれほどまでに市場価値が高騰しているのか、その背景にある「アート市場の論理」まで、私が調べ尽くした情報をすべてお伝えしていきます。
チェックリスト
- オーデマピゲとKAWSのコラボモデルの正式名称と限定本数がわかる
- 文字盤のコンパニオンやビスのデザインに込められた意図が理解できる
- 新開発ムーブメント「キャリバー 2979」の技術的すごさがわかる
- 定価と二次市場の値段の乖離、高騰の理由が把握できる
オーデマピゲ×カウズのコラボの全貌

With-Time
まず、この歴史的なコラボレーションモデル「ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “コンパニオン”」が、どのような背景と特徴を持って誕生したのか、その基本的な情報とデザイン、そして技術的な核心について掘り下げていきましょう。
このコラボレーションは、当時のCEOフランソワ=アンリ・ベナミアス氏が推進した「カルチャーとの融合」戦略の集大成とも言えるプロジェクトです。
- 2024年新作:ロイヤル オーク コンセプト(26656TI)の概要と限定本数
- KAWSの象徴コンパニオンとチタン素材
- Xモチーフのビスが示すデザインの融合
- 新開発キャリバー2979の技術的革新性
- ペリフェラル式時刻表示の仕組みとトゥールビヨン
2024年新作:ロイヤルオークコンセプト(26656TI)の概要と限定本数
今回のコラボレーションのベースとなったのは、オーデマピゲのラインナップの中で最も前衛的で実験的なプラットフォームである「ロイヤル オーク コンセプト」コレクションです。
KAWS自身は薄型のクラシックな「ジャンボ」を愛用していると公言していますが、自身の立体的なアート表現を実現するためには、コンセプトコレクションが提供する「より大きなフィールド(活躍の場)と機会」が必要だったと述べています。
オーデマピゲ公式サイト『ロイヤルオークコンセプト』
なぜコンセプトが選ばれたのか
コンセプトは、APのラインナップの中でも技術的な制約が少なく、デザインの自由度が最も高いモデルです。
KAWSのシグネチャーであるコンパニオンの3Dスカルプチャーを文字盤の中央に組み込むという、時計製造の常識を覆す大胆な発想を実現するためには、この前衛的なプラットフォームが理想的な選択肢だったわけです。
コラボモデルの基本情報
- 正式名称: ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “コンパニオン”
- リファレンス: 26656TI.GG.D019VE.01
- 発表・発売日: 2024年11月20日
- 限定本数: 全世界250本限定
この「250本」という限定数は、マーベルとの協業モデルなど、オーデマピゲのウルトラ・コラボレーションにおける戦略的な限定数となっています。
これは、既存のオーデマピゲ愛好家と、KAWSのアートコレクターという、二つの強力な購買層が、わずか250点の製品を奪い合う構図を意図的に作り出し、二次市場での価値を爆発的に高めるための、計算され尽くした戦略と言えますね。
KAWSの象徴コンパニオンとチタン素材
このモデルの最も目を引く主役は、文字盤の中央、つまり時計の心臓部の上に鎮座するKAWSの象徴的なキャラクター「COMPANION(コンパニオン)」の3Dミニチュアフィギュアです。
このフィギュアのデザインには、KAWSのアートのエッセンスが凝縮されています。
オーデマピゲ公式サイト『ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン"コンパニオン"』
モノクロームのチタン製スカルプチャー
コンパニオンのフィギュアは、ケースと同一のオールチタン製であり、表面にはマイクロブラスト仕上げとサテン仕上げが複雑に施されています。
通常、キャラクターウォッチはカラフルになりがちですが、このモデルは意図的にモノクロームのグレートーンで全体が統一されています。
このアプローチにより、コンパニオンは文字盤に「追加されたパーツ」としてではなく、「ケースと一体化した彫刻」として認識されます。
これにより、高級時計の品格を一切損なうことなく、KAWSの立体アートを昇華させることに成功しているのです。
コンパニオンがサファイアクリスタルの内側から覗き込んでいるような、遊び心と立体感が共存したデザインは、まさにKAWSのアートそのものと言えるでしょう。
ケースとストラップの質感
ケース素材もコンパニオンと同様にオールチタン製で、表面にはサンドブラスト仕上げ(フロステッド仕上げとも表現される)が施され、落ち着いたマットな質感です。
直径43mmという大径ケースですが、軽量なチタンを採用することで装着感を高めています。
また、ストラップには工具なしで交換可能なインターチェンジブルシステムが採用されており、ライトグレーとダークグレーのテキスタイル調カーフスキンストラップが付属します。
ストラップの文化的意味
KAWSはナイキやBAPEとのコラボで知られ、スニーカーカルチャーのアイコン的存在です。
スニーカーヘッズが「靴紐」を交換するように、オーナーはストラップを容易に交換できます。
これは、伝統的な時計愛好家への利便性の提供であると同時に、カスタマイズの価値観を高級時計の世界に持ち込む、文化的な「架け橋」としての役割も果たしていると考えられます。
Xモチーフのビスが示すデザインの融合
ロイヤル オークのDNAとして絶対に欠かせない要素といえば、八角形ベゼルを固定する8本の六角形のビス(ネジ)です。
この部分にKAWSが手を加えたことが、このコラボレーションの本気度を物語っています。
従来のすり割り(マイナス)形状ではなく、KAWSのシグネチャーでありコンパニオンの目でもある「X」モチーフに変更されています。
これは、オーデマピゲの最も神聖なデザインコードへのKAWSの「介入」であり、両者のDNAが完璧に融合したことの証です。
APのデザインコードの中で最もアイコニックな要素を、KAWSのアイコンで置き換えるという行為は、単なる表面的な協業を超え、両ブランドのアイデンティティを深く融合させたことを力強く示しています。
伝統的な時計のデザインコードを尊重しつつ、そこにアーティストの強烈なアイデンティティを、これほどまでに大胆かつ自然に組み込んだ例は非常に稀だと思います。
この「X」ビスこそ、このモデルの最も象徴的なディテールの一つですね。
新開発キャリバー2979の技術的革新性
芸術的な外観にばかり目が行きがちですが、この時計の真の価値は、その裏側にあるオーデマピゲの最先端技術にあります。
KAWSのアート要求に応えるために、オーデマピゲは単なる既存ムーブメントの流用ではなく、新しい手巻きムーブメント「キャリバー 2979」をゼロから開発しました。
アートが技術を動かすパラダイムシフト
このムーブメント新開発の背景には、「文字盤中央にKAWSの彫刻を置く」という、芸術的な制約が先にあったからです。
通常の時計製造では、まずムーブメントが設計され、その上に文字盤がデザインされますが、このモデルにおいてはアート側の要求が技術的な設計を決定づけたという、極めて珍しいパラダイムシフトが起きています。
これは、オーデマピゲがこのコラボレーションに対し、単なるデザイン変更ではなく、マニュファクチュール(自社一貫製造)としての全技術力を投入した動かぬ証拠です。
この新開発ムーブメントは、今後のアートウォッチのコラボレーションを展開するための、戦略的なプラットフォームとして開発された可能性も高いと考えられます。
キャリバー 2979の概要と戦略的意義
- 種類: 手巻きムーブメント
- パワーリザーブ: 約72時間(約3日間)
- 振動数: 21,600振動/時(3Hz)
- 戦略的意義: 文字盤中央に障害物を置くデザインを可能にする、将来のコラボレーションのための基盤技術として開発された可能性。
ペリフェラル式時刻表示の仕組みとトゥールビヨン
キャリバー 2979の最大の技術的特徴は、「ペリフェラル式(外周)時刻表示」です。
これは、文字盤中央のコンパニオンの視界を一切遮らないようにするために採用された、極めて高度な機構です。
針を外周に追いやる機構
時針と分針は、ムーブメントの外周に設置された特殊な歯車によって駆動され、ダイヤル(フランジ)の外縁部を周回します。
これにより、時計の中心はコンパニオンの3D彫刻のために完全に解放されています。
中央に針を持たないこの構造は、KAWSの彫刻を完全に際立たせるための、オーデマピゲの技術者による渾身の答えです。
鼓動するコンパニオンの心臓
さらに6時位置には、重力の影響を相殺する複雑機構であるトゥールビヨンが堂々と配置されています。
このトゥールビヨンの配置は芸術的にも計算されており、コンパニオンの「胸部」にあたる位置で躍動する様子は、あたかも「鼓動する心臓」のように機能します。
これは、KAWSが手掛ける解剖学的なアートシリーズを彷彿とさせる、非常に象徴的なデザインであり、技術とアートが単に並置されたのではなく、互いに有機的に結合していることを示しています。
オーデマピゲ×カウズモデルの市場価値と真贋

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オーデマピゲとKAWSのコラボモデルは、発表されるやいなや、その市場価値は驚異的な高騰を見せました。
ここでは、その価格の現実と、購入を検討する上で知っておきたい真贋の見極めについて、掘り下げていきます。
- Audemars piguet x kawsの定価と二次市場の値段
- 価格高騰を牽引するアート市場の論理
- 著名な愛用者とカルチャーシーンの反響
- 高級時計ブランドの偽物(スーパーコピー)を見分けるポイント
Audemars piguet x kawsの定価と二次市場の値段
この時計の市場における評価は、従来の高級時計の常識を遥かに超えています。
まずは、定価と、その後の二次市場の値段を比較してみましょう。
定価はスイスフランで200,000 CHF(税抜)と設定されています。日本円に換算すると、為替にもよりますが約3,500万円という超高級時計の領域です。
しかし、この価格は、二次市場の値段と比較すると、単なる通過点にすぎません。
| 項目 | 価格(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 定価(リテールプライス) | 約3,500万円 | CHF 200,000 / $225,000 程度(為替によって変動) |
| 二次市場の値段(実勢) | 約6,600万円~8,000万円以上 | 定価の2倍~2.5倍に高騰。市場の熱狂度を示す。 |
二次市場では、発売直後から44万ドル(約6,600万円)から53万ドル(約8,000万円)という極めて高額な値段でリストされています。
これは、定価の2倍から2.5倍に達する、異常とも言えるプレミア価格です。
この高騰は、限定250本という絶対的な希少性と、次に説明する「アート市場の論理」が合わさった結果です。
もはや時計というより、動くアートピースの値段が付けられていると理解した方が早いかもしれません。
価格高騰を牽引するアート市場の論理
なぜここまで値段が高騰するのか。その理由は、「オーデマピゲの希少性」だけでは説明がつきません。
この高騰の背後には、アート市場特有の論理が存在します。
二つの巨大市場からの同時多発的な需要
この時計の購入希望者は、既存のオーデマピゲ愛好家と、KAWSのアートコレクターという、通常は交わることのない二つの巨大な購買層です。
特にアートコレクターにとって、この時計は「時計」ではなく、「オーデマピゲが製造した、身につけられる機械式のKAWSスカルプチャー(限定250点)」という認識になります。
アート市場の価値基準
KAWSの彫刻作品や絵画は、オークションで数百万ドル(数億円)で取引されることが珍しくありません。
アートコレクターは、KAWSの限定立体作品に対して高額を支払うことに慣れているため、40万ドル台の値段であっても「割安」と感じる可能性があります。
二次市場価格は、時計市場ではなく、アート市場の価格基準によって決定されているのです。

著名な愛用者とカルチャーシーンの反響
このモデルは、その発表と同時に時計専門メディアだけでなく、ストリートファッションやアートのカルチャーメディアでも大々的に取り上げられました。
この「賛否両論」こそが、オーデマピゲのマーケティング戦略の成功を逆説的に示しています。
伝統主義者と新世代の反応
HODINKEEのコメント欄などでは、伝統的な時計愛好家から「時計の純粋性への攻撃だ」「やりすぎだ」といった批判的な意見も見受けられたのも事実です。
しかし、これはAPが既存の枠組みを超え、新しい領域(ストリート/アート)へ踏み出したことへの反発であり、織り込み済みの反応でした。
むしろ、Hypebeastなどの読者層や、カルチャーアイコンたちが熱狂したことこそが、このプロジェクトの真の目的であった「新世代の顧客獲得」の達成を意味しています。
着用が確認された著名人
KAWSモデルを着用している最も有名な人物は、もちろんアーティスト本人であるKAWS(ブライアン・ドネリー)です。
様々なメディア露出やイベントで、彼自身がこの時計を着用している姿が確認されています。
また、スイスのル・ブラッシュで開催された発表イベントには、オーデマピゲのブランドフレンドであるDJのマーク・ロンソン、コロンビア出身のラッパーであるJ・バルヴィン、そしてロメオ・ベッカムらが招待され、このモデルが現代のグローバル・ラグジュアリー・アイコンとして認知されていることを示しています。
高級時計ブランドの偽物(スーパーコピー)を見分けるポイント
オーデマピゲのロイヤルオークは、その人気ゆえに精巧な偽物のターゲットになりがちです。
もちろん、カウズモデルも例外ではありませんが、結論から言えば、このモデルの精巧な偽物を製造することは、通常のロイヤルオークよりも遥かに困難です。
偽物を見破る鍵は「キャリバー 2979」
- ムーブメントの構造(ペリフェラル式): この時計の核心である、新開発の「キャリバー 2979」が実現する「ペリフェラル式(外周)時刻表示」とトゥールビヨンを、技術的・コスト的に、偽物製造のレベルで完全に複製することはほぼ不可能です。偽物は、中央に(隠された)針を持つダミーのムーブメントを使用するか、そもそも時刻表示が機能しない可能性が高いでしょう。
- コンパニオンの品質: 真正品のフィギュアは、シャープなエッジと繊細な仕上げ(マイクロブラスト、サテン)が施されたチタン製です。偽物は、安価な合金の鋳造で作られ、エッジがだるく、表面の質感が粗悪になることが予想されます。
- 全体の仕上げと重量: チタンケースの正確無比なエッジ処理や、ブラックセラミックリューズの滑らかな質感など、細部にわたる**マニュファクチュールの品質**は、偽物では再現できません。
このレベルの時計の購入を検討される場合は、高額なグレーマーケット(二次市場)での詐欺行為自体が最大のリスクとなります。
価格が数千万円に及ぶこの時計の購入は、オーデマピゲ正規ブティック、または世界的に信頼され、実店舗を持つ最大手の二次市場ディーラー以外では絶対に行わないようにしてください。
最終的な判断は、必ず専門家にご相談ください。
オーデマピゲ×カウズの価値を総括
オーデマピゲ カウズのロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン コンパニオンは、単なる限定版の高級時計というカテゴリーを遥かに超えた存在です。
それは、「現代アートと最先端の時計製造技術の融合」が達成した、一つの頂点と言えます。
APカルチャー化戦略の頂点
このモデルは、当時のベナミアスCEOが長年推進してきた「APカルチャー化戦略」の集大成であり、マーベルやトラヴィス・スコットといったポップカルチャーの巨人たちとの協業の頂点に位置します。
この時計は、伝統的な時計愛好家のみならず、アート、ファッション、ストリートカルチャーの領域に存在する「新しい富裕層」に対し、オーデマピゲのブランドイメージを決定的に印象付けるための、戦略的な頂点であったと言えるでしょう。
時計愛好家にとってはペリフェラル式ムーブメントという技術的な偉業であり、アートコレクターにとっては最も希少なKAWSの立体作品の一つです。
この二つの価値が融合した結果、驚異的な値段を持つ究極の「コレクターズアイテム」となったのです。
この記事が、オーデマピゲ カウズモデルの真の価値と、その値段が高騰する理由の理解に役立てば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
