ごきげんよう。With-Time、運営者の「桐生」です。
雲上ブランドの頂点に君臨するオーデマピゲ。
その時計を腕に巻くことは、時計愛好家にとってひとつの「上がり」を意味すると言っても過言ではありません。
しかし、いざ購入を検討し始めると、ロイヤルオークを中心とした相場の異常な高騰ぶりや、定価と実勢価格の乖離に直面し、思わず溜息をついてしまった経験があるのではないでしょうか。
「オーデマピゲに安いモデルなんて存在するのか」「中古市場ならまだ手が届くのではないか」と、連日検索を繰り返しているあなたの焦燥感や期待、私自身も時計ファンとして痛いほどよく理解できます。
特に最近では、レディースモデルをあえて選ぶ男性が増えていたり、定価で購入するための抜け道を探す動きが活発だったりと、市場の隙間を狙う賢い買い方が注目されています。
この記事では、単なる価格の安さだけでなく、購入後の維持費や将来的なリセールバリューまで見据えた、経済合理的かつ満足度の高いモデル選びについて、私の知見を余すところなくお伝えします。
チェックリスト
- 2025年現在におけるオーデマピゲの定価と実勢価格のリアルな乖離状況と市場の歪み
- ロイヤルオークのラインナップの中で比較的安価に狙える具体的なモデル名と素材の選び方
- ジュールオーデマやミレネリーなど二次流通市場で過小評価されているコレクションの魅力
- 購入後の維持費やリセールバリュー、リスク管理まで考慮したトータルコストの低い購入戦略
2025年版オーデマピゲの安いモデルの正体

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「安い」という言葉をオーデマピゲに当てはめるのは、少々語弊があるかもしれません。
何しろ、数百万円単位のお話ですからね。
しかし、天井知らずのプレ値がついているモデルと比較すれば、市場の評価が追いついていない「割安なモデル」は確実に存在します。
まずは、なぜこれほどまでに価格差が生まれているのか、その構造的な背景と現状を深掘りしていきましょう。
- ロイヤルオーク価格の高騰と現状
- 現行モデルの定価と市場の乖離
- 中古市場で見つける隠れた名作
- レディースの人気モデルは狙い目
- 33mmクォーツモデルの再評価
ロイヤルオーク価格の高騰と現状
もはや時計界における基軸通貨、あるいは着用できる資産といっても過言ではないロイヤルオーク。
1972年、天才時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏が生み出したこの傑作は、ステンレススティールを高級時計の素材として昇華させ、「ラグジュアリースポーツウォッチ」という全く新しいジャンルを確立しました。
現在、このロイヤルオークの人気は、単なる時計好きの枠を超え、投資家やファッショニスタを巻き込んだ社会現象となっています。
正直なところ、現行の41mmモデル(Ref.15500や15510など)のステンレススティールモデルに関しては、正規店で定価購入することは「宝くじに当たる」よりも難しいかもしれません。
ブティックには連日問い合わせが殺到し、ショーケースは常に空っぽです。
その反動として、二次流通市場(並行輸入店や中古市場)では、定価の2倍から3倍近いプレミアム価格で取引されることが常態化しています。
例えば、定価が400万円台のモデルが、市場では1000万円近くで売られていることも珍しくありません。
これでは、「オーデマピゲが欲しいけれど予算は抑えたい」と考えている方にとって、現行の王道モデルは現実的な選択肢から外れてしまわざるを得ないのが実情です。

視点を少しズラすだけで、驚くほど価格帯が変わる世界があることを知ってください。
ロイヤルオークについて知りたい方は、オーデマピゲ【ロイヤルオーク】予約待ちの現状と買える方法を解説にて執筆していますので、ぜひご覧ください。
現行モデルの定価と市場の乖離
2025年現在、オーデマピゲの市場評価は極めて複雑な様相を呈しています。
一言で言えば、モデルによって定価と実勢価格(流通価格)の乖離率に天と地ほどの差があるのです。
先述したロイヤルオークの「ジャンボ」エクストラシンなどは、定価の数倍で取引されていますが、その一方で、定価割れ、あるいは定価付近で購入できるモデルも確実に存在します。
この極端な二極化を生んでいるのは、時計としての純粋な性能差ではありません。
主な要因は、「投資対象としてのリセールバリュー期待」や「SNS映えするわかりやすいアイコン性」といった外部要因です。
逆に言えば、投資目的のマネーが流入していないモデルこそが、純粋に時計を楽しみたい私たちにとっての狙い目となります。
ブランドが提供する「驚異的なクラフトマンシップ」や「仕上げの美しさ」は変わらないのに、市場価格だけが落ち着いている。
これを利用しない手はありません。

ここを見極める審美眼こそが、安く買うための鍵となります。
中古市場で見つける隠れた名作
現行モデルの新品にこだわらなければ、中古市場にはまさに宝の山が広がっています。
特に注目していただきたいのが、1990年代から2000年代初頭にかけて製造された、いわゆる「ネオ・ヴィンテージ」と呼ばれる世代のモデルたちです。
この時代の時計は、現在のトレンドである「デカ厚」とは一線を画す、エレガントで小ぶりなサイズ感のものが多く存在します。
日本人の手首には、現行の41mmよりも、当時の36mmや39mmの方がしっくりくるという方も多いはずです。
しかも、価格は現行モデルの半額以下、場合によっては3分の1程度で見つかることもあります。
「古い時計は壊れやすいのでは?」「メンテナンスが心配」と思われるかもしれませんが、オーデマピゲのようなトップメゾンは、「永久修理」に近い体制を整えています。
部品がなければスイス本国で作ってでも直してくれるブランドです(費用と時間はかかりますが)。
つまり、中古であっても「一生モノ」として使える品質は担保されているのです。
レディースの人気モデルは狙い目
実は今、時計愛好家の間では密かなトレンドが生まれています。
それは、男性があえて「レディースモデル」あるいは「ボーイズサイズ」として販売されている個体を狙うという動きです。
特にオーデマピゲの場合、ロイヤルオークのデザインコードが非常に力強いため、サイズが小さくても十分な存在感を放ちます。
カタログスペック上は33mmであっても、ラグとケースが一体化した構造のおかげで、視覚的には35mm〜36mm程度の時計と同じくらいのボリューム感があります。
手首周りが16cm〜16.5cm以下の細身の男性であれば、現行の41mmはラグが手首からはみ出してしまい、正直なところ「時計に着られている」状態になりがちです。
むしろ、33mmや34mmのモデルを選んだほうが、往年のクラシックなサイズ感でシックに着けこなせるのです。
これを「安いとはいえレディースだから」と敬遠するのは、あまりにも勿体ない選択だと言えるでしょう。
Ref. 67650STなどの33mmクォーツモデルは、女性からの人気はもちろんですが、細身の男性にとっても「ジェンダーレスに使える賢い選択肢」として再評価されています。
このサイズ感を許容できるなら、ロイヤルオークへの距離は一気に縮まります。
レディースモデルについてはオーデマピゲ レディース|芸能人の愛用モデル・サイズ・値段まとめにも執筆していますので、ぜひご覧ください。
33mmクォーツモデルの再評価
さて、具体的に私が最も推したい「安いロイヤルオーク」の筆頭が、この33mmクォーツモデル(Ref. 67650STや、一世代前のRef. 56175STなど)です。
かつては中古市場で100万円台前半で購入できたこれらのモデルも、昨今の相場上昇により価格は上がってきています。
それでも、41mmの機械式モデルが500万円オーバーであることを考えれば、200万円〜300万円台で入手できる点は圧倒的に魅力的です。
例えば、現行に近いデザインを持つRef. 67650STの新品・未使用品相場は280万円〜300万円台。少し古いRef. 56175なら、220万円前後で見つかることもあります。
「え、せっかくのオーデマピゲなのにクォーツ(電池式)なの?」とガッカリしないでください。
オーデマピゲのクォーツムーブメント(Cal. 2713など)は、地板にペルラージュ装飾が施されるなど、見えない部分まで徹底的に作り込まれた最高級のクォーツです。
何より、機械式時計特有の複雑な機構がないため衝撃に強く、オーバーホール費用も格安です。
「日常使い最強のロイヤルオーク」は、間違いなくこのクォーツモデルだと私は思います。
| モデル名 | 型番(Ref.) | ケースサイズ | ムーブメント | 中古相場目安 (2025年) | 特徴・メリット |
|---|---|---|---|---|---|
| ロイヤルオーククォーツ | 56175ST | 33mm | クォーツ | 220万〜300万円 | 90年代の名作。薄型で着用感抜群。維持費が安い。 |
| ロイヤルオーククォーツ | 67650ST | 33mm | クォーツ | 280万〜320万円 | 現行に近い洗練されたデザイン。状態の良い個体が多い。 |
| ロイヤルオークオートマティック | 15450ST | 37mm | 自動巻き | 450万円〜 | 37mmも人気高騰中。もはやエントリー価格ではない。 |
| ロイヤルオークオートマティック | 15500ST | 41mm | 自動巻き | 550万円〜 | 王道モデル。価格は青天井で入手困難。 |
オーデマピゲの安いモデルを賢く買う戦略

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ここからは、「ロイヤルオーク」という呪縛から少し離れて、より通好みな、そして圧倒的にコストパフォーマンスの高いモデルをご紹介していきます。
「ロゴがオーデマピゲであり、品質が確かであれば、モデル名は問わない」あるいは「本当に良い時計を適正価格で手に入れたい」という方には、こちらの戦略のほうが満足度は高いかもしれません。
- ジュールオーデマの圧倒的コスパ
- ミレネリーの個性と資産価値
- CODE11.59を定価で買う方法
- 購入前に知るべき維持費の真実
- ヴィンテージ購入のリスクと対策
ジュールオーデマの圧倒的コスパ
創業者の一人、ジュール=ルイ・オーデマの名を冠したこのコレクションをご存知でしょうか。
すでに廃盤となってしまいましたが、古典的なラウンドケースを持つ、正統派のドレスウォッチコレクションです。
現在の高級時計市場は、猫も杓子も「ラグジュアリースポーツウォッチ」一色です。
そのため、こういったクラシックな薄型ドレスウォッチは、需要の低下に伴い、不当なほど安く放置されています。
例えば、K18ホワイトゴールドケースを採用したRef. 15056BC(スモールセコンド)などは、中古市場で120万円台から見つかることがあります。
冷静に考えてみてください。
世界三大時計の金無垢モデルが、ステンレス製のロレックス・デイトジャストやサブマリーナーよりも安く買えるのです。
これこそが市場の歪みであり、私たちが狙うべき「真のバリュー」です。
スーツスタイルやフォーマルな場においては、ロイヤルオークよりもこちらのほうが遥かにエレガントで知的です。
特におすすめ:Ref. 15180
ジュールオーデマの中でも、Ref. 15180(エクストラシン)は別格です。
このモデルには、時計愛好家の間で伝説と称される超薄型自動巻きムーブメント「Cal. 2120」が搭載されています。
ロイヤルオークの「ジャンボ(Ref. 15202)」と同じ心臓部を持ちながら、価格は10分の1近い水準(160万円〜200万円台)で取引されることもあります。
「中身」を重視する方にとって、これ以上の選択肢はありません。
ミレネリーの個性と資産価値
楕円形(オーバル)のケースに、オフセンターに配置されたダイヤル。
ミレネリーはその独創的すぎるデザインゆえに、「好き嫌いがはっきり分かれる」モデルとして知られています。
そして、この「好みが分かれる」という点こそが、中古市場での安さに直結しています。
特に私が推したいのが、ミレネリー 4101 (Ref. 15350ST) です。
このモデルは、ダイヤル側からテンプ(時計の心臓部)の動きを鑑賞できる「インサイド・アウト」という設計を採用しており、その立体的な造形美と視覚的なインパクトは、数千万円クラスのトゥールビヨンにも引けを取りません。
それにもかかわらず、中古相場は200万円台前半から探すことができます。
リセールバリューを気にする層が敬遠するため価格が上がりにくいのですが、裏を返せば「底値」で購入できる可能性が高いとも言えます。
すでに十分価格が落ちているため、これ以上の大きな下落リスクも限定的です。
他人と被らないアートピースのような時計を求めているなら、ミレネリーは最高の相棒になるでしょう。
CODE11.59を定価で買う方法
2019年に鳴り物入りで登場した「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」。
発表当初はデザインに対して賛否両論ありましたが、現在はその複雑極まりないケース構造(八角形のミドルケースをラウンドケースで挟み込む構造)や、歪みのないダブルカーブサファイアクリスタルの美しさが評価され、人気が定着してきました。
このモデルを狙う最大のメリットは、「正規店(ブティック)で購入できる可能性が高い」という点に尽きます。
ロイヤルオークのように「一見さんお断り」や「予約不可」の状態ではなく、比較的スムーズに接客を受けられ、在庫があればその場で購入できるケースも多いようです。
定価は約380万円ほど(3針モデル)ですが、二次流通市場では定価割れ、あるいは定価付近で取引されています。
これは投機的なプレミアムが乗っていない健全な状態を意味します。
「定価で買う」ということは、ブランドとの正規の顧客関係(購入実績)を作る第一歩にもなります。
将来的にロイヤルオークを正規店で手に入れたいと考えているなら、まずはCODE 11.59から入り、ブランドへのロイヤリティを示すという戦略は非常に有効かつ現実的です。
購入前に知るべき維持費の真実
「安く買えた!」と喜ぶのはまだ早いです。高級時計は、車と同じで「維持費」がかかります。
特にオーデマピゲの維持費は、業界でもトップクラスに高額であることを覚悟しておかなければなりません。
購入後のコストで生活が圧迫されては本末転倒です。
メンテナンス費用の目安(2025年現在・税込)
オーデマピゲの公式サービス、または認定技術者による修理費用の概算です。
- 電池交換サービス(クォーツ): 約25,000円 〜 40,000円
※防水検査やパッキン交換を含みます。 - コンプリートメンテナンス(機械式・3針): 約100,000円 〜 150,000円
※いわゆるオーバーホールです。研磨仕上げを含む場合が多いです。 - 部品代(追加費用): 数万円 〜 数十万円
※リューズ、ガラス、文字盤などが交換対象になると、基本料金に加算されます。
ここで改めて効いてくるのが、先ほど紹介した「クォーツモデル」の優位性です。
機械式のオーバーホール代が数年に一度15万円かかるのに対し、クォーツなら電池交換(数万円)だけで済みます。
10年、20年というスパンで考えたときの総保有コスト(TCO)は、クォーツモデルのほうが圧倒的に安くなります。
予算ギリギリで時計を購入する場合、この維持費の差は死活問題になりかねません。
ヴィンテージ購入のリスクと対策
さらに予算を抑えたい場合、1970年代〜80年代のヴィンテージモデル(通称「コブラ」など、ケースとブレスが一体化したデザイン)も選択肢に入ります。
これらは金無垢素材を使用していても100万円以下で取引されることがありますが、購入には細心の注意が必要です。
最大のリスクは「部品の在庫切れ」です。
万が一故障した場合、国内のサービスセンターでは修理できず、スイス本国の修復部門(レストア部門)送りとなる可能性があります。
そうなると、修理費用だけで数十万円から100万円以上請求されることも珍しくありません。「100万円で買った時計の修理代が100万円」という事態は絶対に避けるべきです。
対策
ヴィンテージを購入する場合は、必ず「最近(過去3〜5年以内)メーカーでオーバーホールを受けた履歴(明細書)がある個体」を選ぶか、自社で修理工房を持ち、部品調達ルートもしっかりしている信頼できるヴィンテージ時計専門店で購入し、独自保証をつけてもらうことを強くお勧めします。
フリマアプリなどでの個人売買は、リスクが高すぎるため避けたほうが無難です。
オーデマピゲの安いモデル選びの結論
今回はオーデマピゲの安いモデルをテーマに、様々な角度から分析してきました。
結論として、私が提案する具体的な購入戦略は以下の3つです。
ロイヤルオークの33mmクォーツ(Ref. 56175 / 67650)を狙いましょう。維持費も安く、リセールバリューも比較的安定しており、何より「ロイヤルオークを所有する」という満足感を最も手軽に得られます。
ジュールオーデマ(特にRef. 15180等のCal.2120搭載機)を選びましょう。流行に左右されない一生モノのドレスウォッチとして、その教養と品格を腕元で楽しむことができます。
ミレネリーで唯一無二の個性を演出するか、CODE 11.59を定価で購入してブランドとの信頼関係を築き、将来的なレアピース購入への布石を打ちましょう。
「安い」といっても高額な買い物には変わりありません。
しかし、市場のトレンドから一歩引いて冷静に見ることで、価格以上の価値を持つモデルは確実に見つかります。
この記事が、あなたにとっての「最高の一本」との出会いに繋がり、素敵な時計ライフの第一歩となることを願っています。
