ごきげんよう。With-Time、運営者の「桐生」です。
時計好きならば誰もが一度は憧れるパテック フィリップとティファニーによる奇跡のダブルネームについて、その全貌を知りたいとお考えではないでしょうか。
この二つのブランドが織りなす歴史や、検索窓に打ち込まれる値段や定価といった気になる数字、さらにはノーチラスなどの人気モデルに関する情報は、多くの愛好家にとって垂涎の的です。
しかし、日本での購入方法や偽物のリスク、そしてなぜこれほどまでに高騰するのかといった疑問も尽きないことでしょう。
今回は、そんな皆さまの知的好奇心を満たし、資産価値の真実に迫るための情報を整理しました。
チェックリスト
- 170年に及ぶ両社の歴史的パートナーシップとダブルネームの重み
- ノーチラスをはじめとする主要モデルの市場価値と価格推移
- ニューヨーク本店での購入難易度や中古市場における真贋リスク
- 日本国内での入手可能性と将来的な資産性について具体的な知見
パテック フィリップ ティファニーの歴史的価値

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時計業界において「ダブルネーム」と呼ばれる個体は数多く存在しますが、パテック フィリップとティファニーの関係性は、単なる販売店とメーカーの枠を遥かに超えた特別なものです。
まずは、なぜこの二つの名前が並ぶことがこれほどまでに神聖視されるのか、その歴史的な背景とブランドとしての重みについて紐解いていきましょう。
170年に及ぶコラボの軌跡
パテック フィリップとティファニーのパートナーシップは、今から170年以上前の1851年にまで遡ります。
これは日本の歴史で言えば、ペリー提督が浦賀に来航する2年前という、とてつもなく古い時代のことです。
パテック フィリップの共同創業者であるアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックは、当時すでに欧州で名声を博していましたが、次なる市場として新大陸アメリカに大きな可能性を感じていました。
彼は「世界最高の時計を探し求める」という使命を帯びてニューヨークを訪れ、そこで運命的な出会いを果たします。
その相手こそが、当時文具やファンシーグッズから高級宝飾店へと業態を転換しつつあった「Tiffany, Young & Ellis(後のTiffany & Co.)」の創業者、チャールズ・ルイス・ティファニーでした。
二人の間で交わされた契約は、当初は書面による厳格な法的拘束力を持つものではなく、互いの信頼に基づく「紳士協定(Gentleman's Agreement)」としてスタートしたという逸話が残されています。
ビジネスの世界において、これほどロマンティックな始まりがあるでしょうか。
チャールズ・ルイス・ティファニーは、パテック フィリップの時計が持つ圧倒的な品質と芸術性に深く感銘を受け、その場で150個もの懐中時計を発注したと記録されています。
これにより、ティファニーはアメリカにおけるパテック フィリップの最初の公式リテール・パートナーとなり、パテック フィリップは巨大なアメリカ市場への独占的なアクセスルートを確保することに成功しました。
この瞬間こそが、現在に至る伝説の幕開けだったのです。
さらに両社の関係は深まり、1870年代にはティファニーがスイスのジュネーブに自社工場を建設し、パテック フィリップの本拠地近くで製造を行うまでになりました。
しかし、遠隔地での工場運営の難しさもあり、最終的にティファニーはこの工場をパテック フィリップに譲渡します。
1876年、パテック フィリップはティファニーのジュネーブ工場を設備や熟練した職人ごと買収するという歴史的な合意に至りました。
この出来事は、両社が単なるビジネスパートナーから、技術や哲学を共有する運命共同体に近い関係へと進化した決定的な転換点であったと言えるでしょう。
歴史の豆知識
20世紀に入り、パテック フィリップを経営することになるスターン家のアンリ・スターンも、1937年にニューヨークへ渡り、ティファニーとの絆を個人的にも深めました。
彼はアメリカ市場の声を直接ジュネーブへ届けるパイプ役を果たし、これが後の名作誕生へと繋がっていったのです。
唯一許されたダブルネームの証

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時計愛好家の間で「ダブルネーム」という響きは特別な意味を持ちます。
かつて、20世紀中頃までのパテック フィリップは、カルティエ、ギュブラン、ベイヤー、セルピコ・イ・ライノなど、世界各地の有力な高級宝飾店やリテーラーとダブルネームの時計を製造していました。
当時は、顧客が信頼を寄せるのは遠く離れたスイスのメーカーよりも、地元の名士である販売店だったため、リテーラーの名前が文字盤に入ることは品質保証の証でもあったのです。
しかし、時代は移り変わります。
時計業界の垂直統合が進み、ブランド各社が自社のアイデンティティを強化するために直営ブティックでの販売を優先するようになると、他社のロゴを自社の神聖な文字盤に入れる慣習は徐々に廃止されていきました。
ロレックスがティファニーとのダブルネーム製造を中止し、メンテナンス時に文字盤を交換してしまうという対応をとったことは、この時代の変化を象徴する出来事として有名です。
その激動の時代の中で、パテック フィリップが唯一、現在に至るまで公式にダブルネームを継続している相手、それこそがティファニーなのです。
これは単なる商業的なコラボレーションの枠を完全に超えています。
170年にわたり、アメリカという巨大市場でパテック フィリップのブランド価値を守り、育て上げてきた盟友に対する、最大限の敬意と信頼の証に他なりません。
文字盤の6時位置、あるいは12時位置に刻まれた「Tiffany & Co.」のスタンプ。
それは、単にインクで印刷された文字以上の重みを持ちます。パテック フィリップの厳格な品質基準をクリアし、かつティファニーというアメリカンラグジュアリーの頂点が認めた個体であることの証明。
この二つの名前が並ぶことは、スイスの伝統技術とアメリカの繁栄の歴史が融合した、文化遺産のような価値を持つのです。
だからこそ、コレクターたちはこの小さな文字に魅了され、莫大な対価を支払うことを厭わないのでしょう。
伝説となったノーチラスの衝撃

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近年の高級時計市場において、2021年12月という時期は、ある種の「特異点」として記憶されることになりました。
パテック フィリップとティファニーの提携170周年を記念して発表された「ノーチラス Ref.5711/1A-018 ティファニー・ブルー」の登場です。
世界限定わずか170本。
長きにわたり人気を博したステンレススティール製のノーチラスRef.5711の生産終了(ディスコン)が決定し、市場が悲嘆に暮れていた最中に投下された、あまりにも鮮烈なサプライズでした。
このモデルの最大の特徴は、その名の通り「ティファニー・ブルー」で彩られたラッカー文字盤です。
パテック フィリップの歴史において、これほどポップで象徴的なカラーが採用されたことは極めて稀であり、その視覚的なインパクトは絶大でした。
文字盤の6時位置には「Tiffany & Co.」のロゴが鎮座し、サファイアクリスタルのケースバックには「170th ANNIVERSARY 1851-2021 Tiffany & Co. - Patek Philippe」という記念の文字が刻印されています。
さらに、その数字の「1」の中に、隠し文字のように「LVMH」の文字が含まれているのではないかという噂まで飛び交い、買収後の新たな体制を象徴するアイテムとしても注目を集めました。
そして、伝説を決定づけたのがフィリップス・ニューヨークで開催されたチャリティーオークションです。
170本のうちの最初の1本が出品され、世界中のコレクターが固唾を飲んで見守る中、ハンマーが打ち下ろされた価格は、なんと約650万ドル(当時のレートで約7億4000万円以上)。
手数料を含めるとさらに高額になります。
ステンレススティールの3針時計が、複雑機能を持つグランドコンプリケーションや歴史的なヴィンテージウォッチを遥かに凌駕する価格で取引されたのです。
- ティファニー・ブルーの神格化: ロレックスなど他ブランドの類似色モデルまで価格が高騰する現象を引き起こしました。
- 資産価値の再定義: 素材の希少性よりも「ブランドの物語」と「限定性」が価格を決定づけることを証明しました。
- 一般層への認知拡大: ジェイ・Zやレブロン・ジェームズなどのセレブリティが着用したことで、時計ファン以外にもその存在が知れ渡りました。
この「青い衝撃」は、パテック フィリップとティファニーのダブルネームが、単なる時計というカテゴリーを超え、現代における究極の富の象徴、あるいは現代アートと同等の資産クラスへと昇華した瞬間だったと言えるかもしれません。
カラトラバに見る不朽の品格
派手なスポーツモデルや億単位のオークション結果に世間の注目が集まりがちですが、往年のパテック フィリップ愛好家、いわゆる「パテッキアン」にとって、真の憧れとも言えるのがドレスウォッチの王道であるカラトラバにおけるダブルネームです。
特に、Ref.5196やかつての名機Ref.3796といったモデルは、1932年に発表された初代Ref.96のデザインコードを色濃く受け継ぐ、ブランドの精神的支柱とも言える存在です。
なぜカラトラバのダブルネームがこれほどまでに愛されるのでしょうか。
それは「抑制の美学」にあります。
37mm前後という、現代の時計としては小ぶりで上品なサイズ感。バーインデックスやドフィーヌ針で構成される、一切の無駄を削ぎ落としたミニマルな文字盤デザイン。
そこに、主張しすぎることなく配置された「Tiffany & Co.」のスタンプ。このバランス感覚こそが至高なのです。
ノーチラスやアクアノートのようなスポーツモデルでは、デザイン自体がアイコニックで力強いため、ダブルネームのロゴもその一部として「強さ」を強調する要素になりがちです。
しかし、カラトラバのようなシンプルなドレスウォッチにおいては、その小さなロゴが持つ意味合いが異なります。
それは静寂の中に響くピアノの音色のように、見る者に深い印象と品格を伝えます。
フォーマルなタキシードや上質なスーツの袖口から、ふとした瞬間に覗くカラトラバ。
そこにティファニーの文字を見つけた時、相手はその所有者が単なるお金持ちではなく、歴史への敬意と洗練された美的感覚を持つ人物であることを直感するでしょう。
派手にひけらかすことのない、しかし確固たるステータスの証明。
これこそが、大人の紳士が求める究極の贅沢であり、カラトラバのダブルネームが持つ不朽の魅力なのです。
近年、ドレスウォッチ回帰のトレンドと共に、この「静かなる王」への再評価が急速に進んでいます。
特別なゴールドモデルの魅力

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近年の市場トレンドとしてステンレススティール製のスポーツモデル(ラグジュアリースポーツ)への偏重が見られますが、本来パテック フィリップが最も得意とし、歴史的にも重視してきたのはイエローゴールドやローズゴールドを用いた貴金属モデルです。
そして、ティファニーというブランドもまた、アメリカの「ギルディッド・エイジ(金ぴか時代)」を象徴するように、ゴールドジュエリーでその名声を築き上げてきました。
この両者のDNAが最も色濃く反映されているのが、ゴールド素材のダブルネームモデルです。
特にヴィンテージ市場に目を向けると、その魅力はさらに深まります。
20世紀初頭から中盤にかけて製造された、Ref.96、Ref.130、Ref.1518といった伝説的なモデルたち。
これらがアメリカ市場に投入された際、多くの裕福な顧客はステンレスではなく、富の象徴であるゴールドケースを選びました。
長い年月を経て、ゴールドのケースは独特の酸化や摩耗によって温かみのある風合いを帯び、文字盤もクリーム色やアイボリー色へとエイジングしていきます。
その枯れた風合いの中に、くっきりと残る「Tiffany & Co.」の黒い印字。
このコントラストには、新品の時計には決して出せない、歴史の重みと色気が宿っています。
ヘンリー・グレイブス・ジュニアやジェームズ・ウォード・パッカードといった、20世紀を代表する大富豪コレクターたちが愛したのも、こうした特別なゴールドウォッチでした。
現行モデルにおいても、例えばローズゴールドのアクアノートや、ホワイトゴールドの年次カレンダーモデルなどにティファニーのスタンプが入ることで、その時計は単なる工業製品から宝飾品に近いオーラを纏うようになります。
ゴールドという素材自体が持つ普遍的な価値(不変性)に、ダブルネームという歴史的な付加価値が重層的に重なる。
これこそが、真の資産価値と言えるのではないでしょうか。
流行の移り変わりが激しいステンレスモデルとは一線を画す、永続的な価値を求めるならば、やはりゴールドのダブルネームこそが到達点なのかもしれません。
パテック フィリップ ティファニーの市場価格

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さて、ここからは多くの人が最も気になるであろう「お金」の話、すなわち市場価格の現実について切り込んでいきます。
夢やロマンだけでは語れない、冷徹な数字の世界。
なぜこれほどまでに価格が吊り上がるのか、そして実際に手に入れるにはどれほどの対価が必要なのか、投資的視点も交えながら具体的なメカニズムを解明していきましょう。
高騰し続ける値段のメカニズム
パテック フィリップとティファニーのダブルネームモデルの値段が、通常モデルの2倍、3倍、時には10倍以上にまで膨れ上がる背景には、経済学的な明確な理由が存在します。
最大の要因は、極めて単純な「需要と供給の圧倒的な不均衡」です。
まず供給面ですが、パテック フィリップの年間生産数は約6万〜7万本と言われています。
そのうち、ティファニーに納入される数はごく一部であり、さらにそのすべてに「Tiffany & Co.」のスタンプが押されるわけではありません。
スタンプの施工は現在、ティファニー側の厳格な管理下で、ごく限られたモデルにのみ行われているとされます。
つまり、世界中で流通するパテック フィリップの中で、ダブルネームを持つ個体は砂金を探すような確率でしか存在しないのです。
一方の需要面では、「ヴェブレン効果」が顕著に働いています。
これは、価格が高くなればなるほど、その商品の顕示的消費価値(見せびらかす価値)が高まり、かえって需要が増加するという現象です。
ティファニーのダブルネームは、時計愛好家の間で「隠れたシグナル」として機能します。
一見すると普通のパテック フィリップですが、よく見るとティファニーのロゴが入っている。
これだけで、所有者は「自分はただ金を持っているだけでなく、ティファニーの超優良顧客であり、特別なコネクションを持っている」ということを無言のうちに証明できるのです。
さらに、近年のSNSの普及がこの傾向に拍車をかけています。
Instagramなどで手首のリストショットを投稿した際、ダブルネームのロゴは強烈な「映え」要素となり、世界中から羨望の眼差しを集めます。
この社会的承認欲求を満たすためのコストとして、プレ値(プレミアム価格)が正当化されている側面も否定できません。
投資家たちにとっても、パテック フィリップが公式に認める唯一の現行ダブルネームという事実は、「将来にわたって価値がゼロになることはない」という強力な安心材料となり、投機マネーの流入を招いています。
定価で購入するための高い壁

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「それなら、お店に行って定価で買えばいいじゃないか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、現実において新品のダブルネームモデルを定価で購入することは、宝くじで1等を当てるよりも難しいかもしれません。
いや、努力でどうにかなる部分がある分、宝くじとは違う質の困難さが待ち受けています。
現在、新品のパテック フィリップ ティファニーを購入できる場所は、世界でたった一箇所。
ニューヨーク5番街にあるティファニー本店、リニューアルを経て「The Landmark(ザ・ランドマーク)」と呼ばれる旗艦店のみです。
かつてはサンフランシスコやビバリーヒルズなど他の店舗でも取り扱いがありましたが、戦略的な再編により、すべての在庫と権限がニューヨークのこの一点に集約されました。

ニューヨーク本店のパテック フィリップ サロンに足を踏み入れること自体は可能かもしれませんが、商談のテーブルに着くためには、ティファニーにおける圧倒的な「購入履歴(スペンド)」が不可欠です。
時計だけでなく、ハイジュエリーなどを継続的に、かつ多額(一説には年間数千万円〜数億円規模)にわたって購入している「VVIP」でなければ、人気モデルのウェイティングリストに載ることすら叶わないと言われています。
また、居住地要件も厳格化しているとの情報があります。
転売目的の観光客や一見のバイヤーを排除するため、ニューヨーク近郊(トライステート・エリア)に居住実態がある顧客、あるいは地元コミュニティに根付いた真の顧客が優先される傾向にあります。
LVMHグループによる買収後、ブランドの排他性と希少性を高める戦略はさらに強化されており、一般の愛好家が旅行ついでに立ち寄って「ノーチラスをください」と言っても、丁寧に、しかし冷徹に断られるのが関の山なのです。
中古市場の相場と真贋リスク
正規ルートという正面玄関が閉ざされている以上、多くの人が目を向けるのが中古市場、すなわち二次流通の世界です。
しかし、ここはまさに「魔境」とも呼べる危険地帯であることを認識しなければなりません。最大のリスク、それは「後乗せ(リダン)」の問題です。
リダンとは、時計自体は真正なパテック フィリップであるものの、文字盤に第三者が勝手に「Tiffany & Co.」のロゴをプリントしてしまう行為を指します。
スタンプ一つあるだけで市場価値が数百万円から数千万円も跳ね上がるため、悪質な業者にとってこれほど旨味のある偽造ビジネスはありません。
現代の印刷技術は高度化しており、肉眼で真贋を見抜くことはプロでも困難な場合があります。
| モデル | 通常相場(目安) | ティファニーWネーム相場(目安) | リスク判定 |
|---|---|---|---|
| ノーチラス Ref.5711 | 1,500万円〜 | 3,500万円〜6,000万円超 | 極めて高い 人気絶頂のため偽造品も最多 |
| アクアノート Ref.5167 | 800万円〜 | 1,800万円〜2,500万円 | 高い エンボス文字盤への印字確認が鍵 |
| カラトラバ Ref.5196 | 300万円〜 | 600万円〜800万円 | 中程度 ドレスウォッチ需要増で警戒必要 |
本物かどうかを見極める決定的な証拠、それは「紙」です。
パテック フィリップの保証書(Certificate of Origin)にある販売店名の欄に、明確に「TIFFANY & Co.」のスタンプ、あるいは印字がなされているかどうかがすべてです。
もし時計にティファニーロゴがあるのに、保証書の販売店が「Salons Patek Philippe Geneva」となっていれば、それは十中八九、後からロゴを追加した偽物です。
購入を検討する際は、個人間取引や怪しげなネットショップは絶対に避け、信頼と実績のある高級時計専門店や、クリスティーズ、サザビーズ、フィリップスといった国際的なオークションハウスを利用することが、資産を守るための必須条件となります。
日本国内での入手は可能か
私たちの住む日本において、この至高のダブルネームを入手する術はあるのでしょうか。
結論から申し上げますと、正規店での新品購入は「不可能」です。
現在、日本のティファニーブティックはおろか、パテック フィリップの正規販売店であっても、ダブルネームモデルの発注や販売は行われていません。
かつては日本国内のティファニーでもパテック フィリップの取り扱いがあった時期があるという説もありますが、現在の流通網においてそのルートは完全に遮断されています。
では、日本に居ながらにして手に入れるにはどうすればよいか。
答えは「信頼できる並行輸入店」あるいは「オークション」の二択になります。
東京の銀座や中野、大阪の心斎橋などには、世界中から希少な時計が集まる有名な並行輸入店がいくつか存在します。
こうした店舗が、海外のコレクターやディーラーから買い付けた個体が、稀に店頭に並ぶことがあります。
もちろん価格は世界相場を反映したプレ値となりますが、実物を手に取って確認でき、店舗の保証も付く点は大きなメリットです。
また、国際的なオークションハウスが東京で開催するプレビュー(下見会)に参加し、入札するという方法もあります。
これなら自宅にいながら、世界基準の鑑定を経た真正な個体にアクセスすることが可能です。
ただし、競売には手数料がかかり、為替リスクも伴います。
いずれにせよ、日本国内で入手するためには、常にアンテナを張り巡らせ、出会った瞬間に決断できる資金力と知識が必要となるのです。
パテック フィリップ ティファニーの資産性
最後に、パテック フィリップ ティファニーというキーワードでこの世界を覗き込んだあなたへ。
この時計の資産性は今後も盤石である。いや、さらに強固になっていくと考えられます。
その理由は明確です。
LVMHグループの戦略により、ティファニーというブランドはよりラグジュアリーの頂点へと押し上げられており、その中でパテック フィリップとの関係性は「聖域」として扱われているからです。
- 絶対的な希少性: 供給が物理的にニューヨーク一箇所に絞られ、生産数も限定的であること。
- 歴史的な正統性: 170年続く公式なパートナーシップという、他ブランドには模倣できない物語があること。
- グローバルな需要: アジア、中東、欧米と、世界中の富裕層が共通して欲しがる「共通言語」としての価値があること。
もちろん、時計は投資商品ではなく、あくまで楽しむためのものです。
しかし、数千万円という金額を投じる以上、その価値が守られるかどうかは重要な関心事でしょう。
パテック フィリップとティファニーのダブルネームは、単なる高級時計を超え、ピカソの絵画やヴィンテージフェラーリのような「動産資産」としての地位を確立しています。
(出典:Phillips公式サイト: ヴィンテージ時計と名作時計のオークション)
もし、運良く本物のダブルネームモデルを手にする機会があれば、それは単なる消費活動ではありません。
アメリカンドリームの到達点であり、スイス時計製造の伝統への最高の賛辞であるタイムピースを、次世代へと受け継ぐ役割を担うことになるのです。
その道は険しく、高い知識と慎重さが求められますが、だからこそ、手に入れた時の喜びは人生を彩る計り知れないものになるに違いありません。
