ごきげんよう。With-Time、運営者の桐生です。
スウォッチとブランパンのコラボレーション、「バイオセラミック スキューバ フィフティ ファゾムス」。
発表された時は本当に驚きましたよね。
オメガとのムーンスウォッチの熱狂が冷めやらぬ中、まさかあのブランパンと組むとは…。
時計業界に走った衝撃は、とんでもないものでした。
この記事にたどり着いたあなたは、その実態を探しているところかなと思います。
SNSやニュースでは絶賛の声も多いですし、デザインも刺さる。
でも、いざ6万円を超える買い物をしようとすると、冷静になってしまいますよね。
同時に安っぽいんじゃないか、という心配や、実際のところ傷はつきやすいのか、もし壊れたら修理はどうなるの?といった現実的な疑問も浮かんできます。私も同じでした。
また、先行する大ヒット作、ムーンスウォッチと比べてどっちがいいのか、定番の黒モデルの使用感、人気色はどれなのか、そしてそもそも在庫があって今も普通に買えるのか…など、気になる点は尽きないかと思います。
この記事では、そうした購入前のあらゆる疑問や懸念点に対して、時計に魅了されている一人のユーザーとして、決して偏らない中立的な視点で情報を整理し、徹底的に掘り下げていきます。
買ってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ぜひ最後までお付き合いください。
チェックリスト
- 安っぽいという評価の真相と素材「バイオセラミック」の特性
- 実用面でのメリットと「SISTEM51」ムーブメントの修理に関する注意点
- ムーンスウォッチとの決定的なスペックの違いと価格差の理由
- 全モデルの特徴と人気色、そして現在の正規店での購入方法
スウォッチ×ブランパンを評価するにあたっての懸念点

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さて、このコラボモデル、デザインや話題性だけで手放しで「最高!」と言う前に、まずは購入を検討する上で懸念点となりがちな部分、つまりネガティブな評価についても、しっかり目を向けておきたいなと思います。
定価60,500円という価格は、決して「おもちゃ」として気軽に買える金額ではないですからね。
この価格帯なら、日本のメーカーで堅実な作りの機械式時計も選択肢に入ってきます。
だからこそ、シビアな目でジャッジしていきましょう。
- 安っぽいは本当?素材の評価
- 傷はつきやすい?実用面を検証
- 修理は不可?ムーブメントの注意点
- ムーンスウォッチとの違いを比較
安っぽいは本当?素材の評価
まず、購入をためらう理由として一番多く耳にするのが「安っぽい」という評価です。
これは、主にケースとベゼルに使われているスウォッチ特許の「バイオセラミック」素材に起因するようです。
この素材は、スウォッチの公式説明によれば、3分の2がセラミック、3分の1がヒマシ油を原料にしたバイオ由来素材(プラスチック)から作られています。(出典:Swatch公式サイト - Bioceramic)
この素材の最大のメリットは「圧倒的な軽さ」なんですね。
高級時計にありがちな、あのステンレススチールのズッシリとした重みや冷たい金属の感触は皆無です。
そして、この「軽さ」と「質感」をどう捉えるかで、評価が真っ二つに分かれます。
- ネガティブな意見:「どう見ても高級なプラスチック」「6万円の質感ではない」「子供のおもちゃみたい」「軽すぎて満足感がない」
- ポジティブな意見:「軽くて疲れないから毎日使える」「サラサラした質感が心地よい」「セラミックの耐傷性もあって実用的」
私自身、機械式時計の「重み=高級感・満足感」という側面も強く理解できるので、この点は非常に悩ましいところです。
60,500円という価格を腕時計の絶対価格として捉え、金属的な重厚感を期待してしまうと、ほぼ確実に安っぽいと結論付けてしまうでしょう。
逆に、この価格をブランパンの歴史とデザイン、そしてSISTEM51という革新的な機械式ムーブメントへのエントリー料と見なせるなら、その軽さは実用性という長所に変わるかもしれません。
傷はつきやすい?実用面を検証

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次に傷の問題です。
いくら実用時計といっても、すぐに傷だらけになるのは避けたいですよね。
この点において、バイオセラミック素材は非常にユニークな特性を持っています。
3分の2がセラミックで構成されているため、理論上は一般的なプラスチックやステンレス(SUS316Lなど)よりも表面硬度が高く、擦り傷やひっかき傷には強いとされています。
とはいえ、「絶対に傷がつかない」わけではありません。
セラミックは硬い分、靭性(じんせい:粘り強さ)は金属に劣るため、強い衝撃、例えばコンクリートの角に強くぶつけたりすると、凹むのではなく割れたり欠けたりするリスクが常にあります。
そして、残りの3分の1はバイオ由来素材(プラスチック)です。
ただ、この時計のコンセプトを考えると、むしろ「傷を気にせずガンガン使えること」こそが価値だと私は思います。
「ツールウォッチ」としての解放
想像してみてください。
もし本物のブランパン フィフティ ファゾムス(数百万円!)を持っていたら、傷が怖くてビーチやキャンプ、ましてや子供との水遊びなんかに着けていけませんよね。
でも、このコラボモデルなら、91m防水(水深50尋)という本物のスペックを備えながら、傷を恐れずに使い倒せます。
これは、高価な時計を所有するがゆえの傷への恐怖という呪縛からの解放であり、実用的なツールウォッチとしての最大の存在価値です。
ストラップが使用済みの漁網をリサイクルしたNATOストラップである点も、海で使うツールという文脈に合っていて好感が持てます。
修理は不可?ムーブメントの注意点

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これは機械式時計として、購入前に知っておくべき最も重要なポイントかもしれません。
この時計に搭載されている「SISTEM51」というムーブメントは、その名の通りわずか51個のパーツと1本の中央ネジのみで構成され、製造工程が全自動化されているという、時計業界の常識を覆した革新的なものです 。
しかし、その革新的な設計思想(=コストダウンと高性能の両立)の代償として、従来の時計のように時計技師がパーツを分解して洗浄・注油する「オーバーホール」が物理的に想定されていません。
じゃあ、壊れたら使い捨てなの?というと、そういうわけでもないようです。
スウォッチはSISTEM51のメンテナンス体制について、明確なポリシーを持っています。
- 保証期間内(購入から2年間)
国際保証期間内に不具合が生じた場合、スウォッチの品質チームによる検査が行われます。すべての要件が満たされていれば、追加料金なしで「交換用の時計が発行される」(=新品交換)という対応になるようです 。 保証期間外(購入から2年以降)
スウォッチからの情報によれば、保証期間を過ぎた場合でも、有償のアフターサービスが用意されています。内容は、スイス本社にて「ムーブメント全体を新品に交換する」という対応になります。その際の費用目安は、日本円にして約37,800円ほどとされています。
知っておくべきランニングコスト
ここが重要ですが、交換費用は、現在の為替レートで考えると、定価の約半分以上に相当します。
「一生モノの機械式時計」として、数年ごとにオーバーホール(一般的な相場は3万円~)を繰り返しながら長く付き合っていく…という伝統的な考え方とは根本的に異なります。
購入者は、「2年保証が切れた後に故障したら、定価の半額以上を払って心臓部を交換する」か「その時の気分で買い替える」かの選択を迫られることになります。
この事実は、購入前の評価段階で必ず理解しておくべき点ですね。
ムーンスウォッチとの違いを比較
「スウォッチコラボなら、価格が約半分のムーンスウォッチでいいのでは?」と考える人も多いかもしれません。私も最初はそう思いました。ですが、この2つ、デザインの好みを抜きにしても、中身は全くの別物です。
先行するムーンスウォッチと比較検討している方のために、最大の決定的な違い、「時計としての本質的なスペック差」を比較表にまとめます。
| 比較項目 | ブランパン (Scuba Fifty Fathoms) | ムーンスウォッチ (MoonSwatch) |
|---|---|---|
| ベースモデル | ブランパン「フィフティ ファゾムス」 | オメガ「スピードマスター」 |
| ムーブメント | 機械式(自動巻き) (SISTEM51) | クォーツ(電池式) |
| パワーリザーブ | 約90時間 | 電池駆動 (通常2~3年) |
| 防水性能 | 91m (9気圧) 防水 | 3気圧防水 (生活防水) |
| 機能 | ダイバーズ(逆回転防止ベゼル) | クロノグラフ(ストップウォッチ) |
| ケース素材 | バイオセラミック | バイオセラミック |
| 定価(参考) | 60,500円 | 33,550円~41,800円 |
この表を見れば一目瞭然ですね。結論から言うと、
- ムーンスウォッチ: 「スピードマスターのデザインを楽しめるクォーツ時計(生活防水)」
- ブランパンスウォッチ: 「フィフティ ファゾムスのデザインと、本格的な機械式ムーブメントと実用的な91m防水を備えた時計」
という明確な差があります。
特に「機械式」であることと「91m防水」は、時計好きから見ると「おもちゃ」と「本物の時計」を分ける大きな境界線です。
ブランパンコラボのSISTEM51が持つ「約90時間パワーリザーブ」も驚異的で、これは多くの高級機械式時計(通常40~70時間程度)を凌駕するスペックです。
価格差以上の価値がブランパンコラボにはある、と市場で評価されている理由は、この圧倒的なスペック差にあるんですね。
スウォッチ×ブランパンの評価と購入ガイド

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さて、懸念点をいくつか見てきましたが、それらを理解した上で、一方で「買ってよかった」という満足度の高い声が多いのも事実です 。
歴史の所有感やデザインの秀逸さなど、この時計にしかない魅力があることは間違いありません。
ここからは、このコラボモデルのポジティブな側面、その魅力と、実際の購入に向けた具体的なガイド情報を見ていきましょう。
- 最新の人気ランキングと人気色を発表
- 定番の黒をレビュー
- 在庫状況と入手難易度
- どこで買える?購入方法まとめ
最新の人気ランキングと人気色を発表
発売当初の熱狂や、現在の中古市場でのプレミア価格を見るに、最も人気と注目を集めているのは、歴史的なギミックを搭載した以下の2モデルかなと思います。
ARCTIC OCEAN (北極海 / SO35N100)
暖かいベージュのケースに、ヴィンテージ感を漂わせるオレンジのベゼルが絶妙なカラーリングのモデルです。
最大の特徴は、文字盤の6時位置に配された「NO RADIATIONS(放射性物質不使用)」ロゴ。
これは単なるデザインではありません。
1960年代から70年代にかけ、夜光塗料に放射性のラジウムが使用されなくなったことを示すため、ブランパンの民生用フィフティ ファゾムスに実際に使用されていた、コレクター垂涎の歴史的ディテールなんです。
スウォッチ自身が「熱狂的ファン向けに作られた」と言及する通り、まさに玄人好みの1本ですね。
ANTARCTIC OCEAN (南極海 / SO35S100)
凍てつく海を思わせる、アイスホワイトと冷たいグレーの配色がクールなモデルです。
こちらは6時位置に「液体接触インジケーター(湿気検出センサー)」を搭載しています。
万が一ケース内に湿気が侵入すると、このセンサーの色が変わる仕組みになっています。
このギミックもまた、歴史的なオマージュです。
これは、ブランパンが各国の海軍に納入していた軍用モデル「Fifty Fathoms MIL-SPEC(ミルスペック)」に搭載されていた特殊機能を忠実に再現したもの。
ダイバーの命に関わる浸水を検知するための軍用スペックであり、このニッチな機能をあえて再現した点に、スウォッチの深いリスペクトを感じます。
実用性か、ロマンか。「日付表示」のトレードオフ
なぜこの2つが人気なのか?それは、他のモデルにはない日付表示なしの特別な文字盤を備えているからです。
この「あえて不便にする」というマニアックな仕様が、オリジナルのフィフティ ファゾムスの歴史を知る時計好きの心を強くくすぐるんでしょうね。
二次流通市場でも、この2モデルは特に高値で取引される傾向にあります。

日常使いの実用性を考えると日付表示は非常に便利です。
「歴史のロマン」を取るか、「日常の実用性」を取るか。これは購入者が最も悩むポイントの一つでしょう。
定番の黒をレビュー

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カラフルな5大洋の5モデルに続いて追加された6本目のモデルが、ブラックを基調にした「OCEAN OF STORMS(嵐の大洋)/ SO35B400」です。
これまでのビビッドなラインナップとは一線を画す、引き締まったオールブラックのケースと文字盤が特徴です。
これはもう、問答無用でカッコいいですよね。
どんな服装にも合わせやすい「定番色」として、実用性を重視する層から非常に人気が高いです。
面白いのが、モデル名がこれまでの大洋とは異なり、「月の表側の西端に位置する月の海」にちなんで名付けられた点。
これは先行するコラボレーション「ムーンスウォッチ」(月と宇宙がテーマ)との意図的なリンクを感じさせます。
「黒いダイバーズウォッチが欲しい、でもムーンスウォッチのクォーツではなく機械式が良い」という人にとって、まさに完璧な選択肢と言えるかもしれません。
在庫状況と入手難易度
さて、ここまで読んで「やっぱり欲しい!」となった時、一番の問題は「どうやって手に入れるか」です。
ムーンスウォッチの時と同様、このコラボモデルも発売から2年以上経過した現在でも、入手難易度は非常に高いままです。
発売当初(2023年9月)は、ストアに長時間並んでやっと購入できるという、まさにお祭り状態でした。
現在もその人気は全く衰えておらず、正規店で希望のモデル(特に人気色)を即日購入するのはかなり難しいと考えた方が良いでしょう。
入荷のタイミングで運良く出くわすか、こまめに通うしかありません。
この入手難易度の高さから、二次流通市場では、定価を大幅に上回るプレミア価格で取引されています。
調査時点では、未使用品が69,800円から95,800円程度の範囲で推移しており、市場がこの時計に定価以上の価値を見出している明確な証拠とも言えますね。
どこで買える?購入方法まとめ
このコラボモデルは、ブランド価値を守るため、購入できる場所が厳しく制限されています。
購入可能な場所
・日本国内の一部「Swatchストア(セレクト店舗)」の店頭のみ。
※例として銀座、横浜ビブレ、心斎橋などが挙がることもありますが、公式に全部の店舗名が公表されているわけではありません。
購入できない可能性の高い場所
・Swatch公式オンラインストア(現状、店舗限定販売のため取り扱いがない/少ないと考えられます)
・一般の百貨店内のブランパンブティック等(このモデルの取扱い対象外の可能性が高いです)
また、楽天やAmazonなどで定価以上で売られているものは、すべて二次流通品です。
これらは保証の面などで正規店購入と異なる場合があるため、注意が必要です。

あくまでも、これは「スウォッチ」が企画・販売する商品です。
この販売チャネルを明確に棲み分けることこそが、ブランパンという(スウォッチグループ内の)高級ブランドの「格」を毀損しないための、スウォッチグループの巧みなブランド戦略なんですね。
スウォッチ×ブランパン評価の結論
さて、懸念点から魅力、購入方法まで長々と見てきましたが、最終的なスウォッチ×ブランパンの評価として、この時計は「買い」なのか?
私の結論としては、「この時計の『歴史的な背景』と『割り切り』を理解し、楽しめる人にとっては、最高の相棒になる時計」かなと思います。
この時計をどう評価するかは、あなたが60,500円という価格に何を期待するかで決まります。
こんな方におすすめ
- 「NO RADIATIONS」ロゴのような、時計の歴史的背景にロマンを感じる人
- 本物の高級時計は既に所有しており、傷を気にせず使える「ビーチウォッチ」「セカンドウォッチ」を探している人
- ムーンスウォッチの上位互換として、クォーツではなく90時間パワーリザーブの「機械式」コラボウォッチが欲しい人
待ったほうが良い人
- 時計にステンレススチールのようなズッシリとした重量感や金属的な高級感を期待する人
- SISTEM51のムーブメント交換というメンテナンス体制を理解せず、伝統的なオーバーホールが可能な一生モノの機械式時計を期待している人
安っぽいという評価は、バイオセラミックの軽さという物理的特性を、ポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかという、表裏一体の主観的な解釈に過ぎません。
また、60,500円という価格は、時計史に残る伝説的なデザインと、90時間パワーリザーブの革新的な機械式ムーブメント、そして91m防水という本物のスペックをすべて手に入れるための対価です。
そして、二次流通市場が示すプレミア価格こそが、市場はこの対価を「妥当、むしろ安い」と評価している客観的な証拠です。
これは、時計ブランド同士のコラボレーションが生み出した、稀有な成功事例として、今後も評価されていくのではないでしょうか。
